【3月28日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の人権問題をめぐり中国と対立している米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は27日、中国が米国人2人に制裁を科したことには根拠がなく、同自治区での「ジェノサイド」に注目が集まるだけだと指摘した。

 米国とカナダは、新疆ウイグル自治区の人権侵害を理由に対中制裁を発動。対抗措置として中国は27日、米国人2人とカナダ人1人、そしてカナダ議会の小委員会に制裁を科すと発表した。

 中国外務省によれば、制裁対象となったのは米政府機関の米国際宗教自由委員会(USCIRF)のゲイル・マンチン(Gayle Manchin)議長とトニー・パーキンス(Tony Perkins)副議長、カナダのマイケル・チョン(Michael Chong)議員、そしてカナダ議会下院の外務委員会国際人権小委員会で、香港とマカオを含む中国への入国が禁止される。

 ブリンケン氏は声明で、「中国政府による、人権や基本的な自由を求める者を威嚇して沈黙させようとする試みは、新疆ウイグル自治区において進行中のジェノサイドと人道に対する罪への国際社会の厳しい視線を一段と強めるだけだ」と発表した。

 人権団体は、新疆ウイグル自治区ではウイグル人らイスラム系少数民族を中心に少なくとも100万人が施設に収容されており、そこでは強制労働や女性の不妊手術の強要が行われているとしている。(c)AFP