【3月26日 AFP】労働者の人権侵害が問題視されている2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の開幕まで2年を切る中、25日に行われた同大会の欧州予選第1節では、ドイツの選手が試合前にアルファベットが書かれたTシャツを着用して「HUMAN RIGHTS(人権)」というメッセージを発した。

 グループJの初戦でアイスランドに3-0で勝利した後、ゴールを決めたドイツのレオン・ゴレツカ(Leon Goretzka)は独テレビ局RTLに「W杯が迫るにつれて、そのことについての議論が起きるだろう。それから目を背けていないということを僕らは証明したかった」とコメントした。

「自分たちで文字を書いた。僕らには大きな影響力があるし、それを利用して自分たちが支持したい価値観を示すことができる。そのことは明確だった」

 ドイツの選手たちは、W杯で使用するスタジアムを建設している出稼ぎ労働者を支持するために、前日の試合で「HUMAN RIGHTS On and off the pitch(ピッチの内外で人権を)」と書かれたTシャツを着用したノルウェー代表による同様の抗議行動に倣った。

 ジブラルタルとのW杯予選でこの抗議が行われる前には、ノルウェーの複数のクラブが本大会のボイコットについて同意すると表明していた。

 英紙ガーディアン(Guardian)は先日、カタールがW杯の開催国に選ばれた2010年から、スタジアムの建設現場で6500人以上の労働者が亡くなったと報じた。

 また独誌シュピーゲル(Der Spiegel)の調査によれば、W杯カタール大会のボイコットについて3分の2が賛成だったという。

 ドイツサッカー連盟(DFB)はこれまでに、懸念を表明し続けるだろうとだけしか述べていない。(c)AFP