【3月26日 AFP】フィギュアスケート世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2021)は25日、スウェーデン・ストックホルムで男子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、二つの五輪金メダルに輝く羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が106.98点で首位発進した。鍵山優真(Yuma Kagiyama)が100.96点で2位に続き、前回覇者のネイサン・チェン(Nathan Chen、米国)は転倒が響いて98.85点の3位につけた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)によってこれまで一人で練習してきた羽生は、1年以上ぶりの国際大会で、英ポップ歌手ロビー・ウィリアムス(Robbie Williams)の楽曲「レット・ミー・エンターテイン・ユー(Let Me Entertain You)」に乗せて4回転サルコー、4回転と3回転のトーループのコンビネーション、そしてトリプルアクセルの着氷に成功した。

 演技後のインタビューでは、「(全日本のときよりも)すごく精神的には安定して、一つ一つ丁寧にできると思う」とすると、「曲やプログラム自体から感じられる背景だったり、皆さんの中に残っている何か記憶だったり思い出だったり、そういたったものが少しでも想起させられるようなものになったらいい」とコメント。北京冬季五輪が1年後に近づく中、チェンとともに通算3度目の世界タイトル獲得を目指す27日のフリースケーティング(FS)に向けて絶好の位置につけた。

 大会2連覇中のチェンは、映画『デスペラード(Desperado)』のラテン音楽に乗せたパフォーマンスで、冒頭の4回転ジャンプで転倒した後、トリプルアクセルと4回転フリップと3回転トーループのコンビネーションジャンプで着氷して挽回。先に演技を行っていた17歳の鍵山は、スムーズで流れるような演技でSP自己ベストをたたき出し、両雄の間に割り込んだ。

 ペアのFSでは、ロシア連盟のアナスタシヤ・ミーシナ(Anastasia Mishina)/アレクサンドル・ガリアモフ(Aleksandr Galliamov)組が合計227.59点を記録し、世界フィギュア初出場にしてタイトルを獲得。2度の大会制覇を誇る中国の隋文静(Wenjing Sui)/韓聰(Cong Han)組を合計225.71点の2位に抑え、217.63点で3位に入った同胞のアレクサンドラ・ボイコワ(Aleksandra Boikova)/ドミトリー・コズロフスキー(Dmitrii Kozlovskii)組と表彰台に上がった。(c)AFP