中国の粗鋼生産量 25年連続世界一を達成
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【3月26日 東方新報】中国国家統計局によると、同国の2020年の国内粗鋼生産量は前年比5.2ポイント増の10億5000万トンとなり、25年連続で世界一となった。新型コロナウイルス感染拡大により、昨年前半の鉄鋼需要が大きく落ち込んだが、政府の景気刺激策やインフラ投資の拡大などにより、後半は急速な回復を見せた。
世界鉄鋼協会がまとめた2020年の世界粗鋼生産量(速報値)は18億6400万トンだったため、中国が占める割合は56%に達した。2位のインドは9960万トンで、3位の日本は8320万トンといずれも中国の10分の1以下だった。
ドイツの政治家、ビスマルクは以前、「鉄は国家なり」という名言を残した。大砲や鉄道などに欠かせない鉄は国力の源と考えられた時代では、鉄鋼の生産量はその国の国際社会における影響力を意味していた。日本も明治維新以降、富国強兵の一環として北九州に官営八幡製鉄所を建設するなど鉄鋼生産に力を入れた時期があった。
中国は建国直後の1950年、全国の粗鋼生産量はわずか61万トンだった。その後、各地の鉄鋼工場の拡大生産により1957年に535万トンに達した。当時の最高指導者、毛沢東(Mao Zedong)は翌年には倍の1070万トンにするよう指示し、全人民による製鉄・製鋼運動、大躍進が展開された。目標を達成したものの、農業生産に深刻な影響を及ぶなど、国が混乱し、経済成長が一時停滞する結果をもたらした。
文化大革命(Cultural Revolution)後、中国の粗鋼生産拡大は再び軌道に乗り、1986年に5000万トン、1996年に1億トンの大台を突破し、日本を超えて世界一位となった。
しかし一方、生産量ばかりを追及することによってもたらしたマイナス要素も大きい。無計画な投資による生産能力の過剰、先進的な技術力の弱さなどが指摘された。同時に、鉄鋼企業は内陸部の都市に分散しているため、環境への悪影響や、物流、水資源の制約などさまざまな問題を抱えていることも事実だ。
また、中国の鉄鋼産業の原材料の海外依存度が高く、2020年には中国の鉄鉱石輸入量が過去最高を記録した。今後、国際市場における鉄鉱石の価額の変化が中国の鉄鋼生産量に大きな影響を与える可能性もある。
さらに、国際社会はこれから、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に向けて本格的に動き出す中、巨大な粗鋼生産量は中国にとって、大きな負担になる可能性もある。鉄鋼業界に詳しい中国人記者は「もはや生産量を追求する時代ではなくなった。今、中国の鉄鋼産業の高度化が求められている」と話している。(c)東方新報/AFPBB News