【3月24日 CNS】日本人映画監督の河瀨直美(Naomi Kawase)さんと、中国人映画監督の賈樟柯(Jia Zhangke)さんがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた日中合作の映画、『再会の奈良(英題:Tracing Her Shadow)』が北京市で初公開され、監督兼脚本の鵬飛(Peng Fei)さんと主演の英沢(Ying Ze)さんが同映画のイベントに参加し、観客と交流した。

 映画『再会の奈良』は、血縁関係のない異国の母親と娘の家族愛を描いた物語だ。80歳に近い中国人老女の陳慧明(Chen Huiming)(呉彦姝<Wu Yansu>さんが演じる)が一人で日本の奈良に赴いた。日本に帰国した後、連絡が取れなくなった養女、日本人残留孤児だった陳麗華(Chen Lihua)を探すためだ。残留孤児の小沢(英沢さんが演じる)と元警官、一雄(國村隼<Jun Kunimura>さんが演じる)と出会い、多くの人も支援を受け、ようやく娘の麗華と再会を果たした。陳は養女を探す過程の中で、日本に帰国した麗華が体験したさまざまな苦労を知り、小沢や一雄らと旅の途中で信頼関係と友情が生まれた。

 試写会の後の交流会で、出席するゲストたちは、映画の完成度、演技のスキルなどを高く評価し、若手監督・鵬飛さんの成長を肯定した。

 監督の路陽(Lu Yang)さんは、「画面の余白をたくさん使うやり方は、今の中国の映画ではめったに見られません。このスタイルは鵬飛さんらしく、非常に興味深いものだ」と述べた。作家の双雪涛(Shuang Xuetao)氏は、「この映画は、人間の暖かみと冷たさを非常にうまく組み合わせている。監督の優れた能力を感じさせる」と述べた。

 女優の姚晨(Yao Chen)さんは「とても暖かくてユーモラスな映画だ。深いレベルの孤独をもうまく表現している」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News