【3月28日 CNS】中国国家統計局によると、中国の2020年の研究開発費(R&D)は2兆4426億元(約40兆6180億円)で、前年比10.3ポイント増加した。同年の国内総生産(GDP)の伸び率2.3%に比べて大幅に増えており、イノベーションへの投資が依然として活発となっている。

 研究開発費のうち、基礎研究費は前年度比12.6ポイント増の1504億元(約2兆5010億円)。次世代人工知能(AI)や宇宙開発、半導体などの先端分野の研究に力を注ぐ。

 国家統計局の盛来運(Sheng Laiyun)副局長は「新型コロナウイルスを抑制し、経済および社会は戦略的発展を遂げた。平凡でない年に特別な答えを書くことができた」と称賛。世界で唯一、プラス成長を遂げた主要経済国となった成果を強調した。

 イノベーションへの投資が増加したことと平行し、科学技術力も大幅に増加している。昨年は全国で36億3900万件の特許が付与され、前年度比40.4%の大幅増加を果たした。昨年末の1万人当たりの発明特許数は15.8件に達し、前年末に比べ2.5件増加となる。

 昨年は衛星利用測位システム「北斗(Beidou)」ネットワークの完成、有人深海潜水艇「奮闘者」号が水深1万メートルのマリアナ海溝の海底に到達、月探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」による月面サンプル採取成功など、主要な科学技術の成果が次々と現れ続けている。

 国家統計局によると、主要な国家科学技術プロジェクト198件の計画が進んでおり、4.57万件のプロジェクトが中国国家自然科学基金から資金を受けている。昨年末段階で、イノベーションと科学研究で重要な役割を担う国家重点実験室が522か所、国立工学研究センターが350か所、国立企業技術センターが1636か所、草の根レベルの創業やイノベーションを支援する「大衆創業・万衆創新モデル基地」が212か所、技術開発や起業を支援するインキュベーター施設が1173か所、共有ワークスペース「衆創空間」が2386か所ある。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News