【3月24日 AFP】(更新)エジプトのスエズ運河(Suez Canal)で、巨大コンテナ船が砂嵐に巻き込まれて座礁し、運河がふさがれた。周辺ではこれにより大規模な渋滞が発生。24日現在、タグボートによる復旧作業が続いている。

 座礁したのは、台湾の長栄海運(Evergreen Marine Corp)が運航するパナマ船籍の「エバーギブン(Ever Given)」で、全長は400メートル、幅59メートル。オランダのロッテルダム(Rotterdam)に向かう途中だった。

 米衛星画像企業プラネット・ラブズ(Planet Labs)が公開した衛星画像には、コンテナ船が斜めになって運河を完全にふさいでいる様子が写されている。

 エジプトのスエズ運河庁(Suez Canal Authority)によると、同船は突風を伴う砂嵐に巻き込まれ、視界不良に陥った。シナイ半島(Sinai Peninsula)地域ではこの季節、こうした砂嵐が頻繁に発生する。長栄海運は「突風にあおられ、座礁したようだ」と説明。船舶位置情報サイト「marinetraffic.com」によれば、船は少なくとも23日午後から現在の位置で立ち往生している。

 米ブルームバーグ(Bloomberg)は、この事故で100隻以上が立ち往生したと報道。スエズ運河庁のオサマ・ラビ(Osama Rabie)長官は24日、タグボートなどあらゆる手段を講じて復旧作業を続けていると述べた。

 スエズ運河は世界で最も重要な交易路の一つで、世界の海上貿易の10%が同運河を利用している。スエズ運河庁によると、昨年は1万9000隻近くの船舶が通過し、総重量は11億7000万トンだった。(c)AFP