■他競技の選手も用具に苦慮

 ポリオにかかって両下肢の筋力が低下したエドモンド・ヌゴンビ(Edmond Ngombi)は、リオパラリンピックの陸上トラック競技で、車いすのトラブルに見舞われてしまった44歳のベテラン選手だ。松葉づえ姿のヌゴンビは、「装備が故障していて、ハンドルに問題があった」と当時を悔しそうに振り返る。

 ヌゴンビは、ファーストレディーの名前を冠するシルビア・ボンゴ・オンディンバ財団(Foundation Sylvia Bongo Ondimba)から贈られた競技用車いすをもう10年間使い続けていて、それが自分の不利になっていると感じている。

 フランク・ヌゲマ(Franck Nguema)スポーツ相も、「わが国のパラリンピックスポーツは、十分に発展しているとは言いがたい」と認め、「少数の選手と連盟が何とか火を絶やさないよう頑張っているが、国の幅広い支援は得られず、しばらく前から厳しい状況が続いている」と話している。五輪の予選でさえ、国は3人の選手の渡航費を出すことをギリギリまで渋るような状態だった。

 仕事や学業とトレーニングとの両立も大変で、ムカニは「昼間は授業があって、ここへタクシーで来るのは時間がかかる。道が混む時間帯はなおさらだ」と話している。

 それでも、連盟が何より情けなく感じているのは、やはり設備の整っていないオウェンドの練習場の環境で、連盟の何人かのスタッフは、取材は使ったこともない別の施設で行ってほしいと言ってきたほどだった。

 砲丸投げとやり投げの選手であるオードレイ・ファビオラ・メンゲ・パンボ(Audray Fabiola Mengue Pambo)は、トラック脇の盛り土の上で準備体操をしている。他国の砲丸投げ選手は、固定ベルト付きの特注の投てき台を使っているが、メンゲ・パンボが使っているのは木のスツールだ。31歳のメンゲ・パンボは「良い用具とは言えないけど、私たちには専用のものがない」とつぶやく。

「選手が国のためにもっと良い結果を出せるよう、政府は障害者スポーツにもっと力を入れなくちゃいけない」。メンゲ・パンボはそう話している。(c)AFP/Dylan GAMBA