【3月23日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は22日、新型コロナウイルスの懸念によって、今夏の東京五輪で海外からのファン受け入れを見送るという前代未聞の決定が下されたことを受け、日本のファンは「世界に対して平等な応援」をすると約束した。

 記者会見に臨んだ組織委の小谷実可子(Mikako Kotani)スポーツディレクター(SD)は、東京五輪で海外の観客がいないことは「多様性と調和の損失」になると認めた。

 しかし小谷SDは、それらを補うためにも日本人の観客はあらゆる国籍のアスリートを応援すると主張し、今夏は「東京に世界を感じ」てほしいと述べた。

 競技している選手に、会場に日本人しかいないと感じてほしくないという小谷SDは、「日本人が得意なフェアプレーとおもてなしの気持ち」と「世界に対する平等な応援」によって、「見た目はオール日本人だったけど東京に世界を感じたと言ってもらえるような、国際感覚を持った世界に対してフェアな応援」になることを願っているとコメントした。

 海外ファンの受け入れが見送られるのは今回が史上初。これに対して組織委は、残念ではあるもののパンデミック(世界的な大流行)における安全面の懸念を考えると「やむを得ない」措置だと述べていた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、一部の招待客については免除を求めていると報じられているが、この規則は厳格なものになるとみられている。

 組織委の武藤敏郎(Toshiro Muto)事務総長は、海外選手の家族の入国が許可されるかどうかは未定であるが、「現時点では」基本的に海外のファンと同じ扱いになるだろうと述べた。

 一方で、スムーズな大会運営を行う上で「不可欠」な「専門性のある」一部の海外のボランティアについては、特別措置として参加が認められるという。

 武藤氏は何人の海外ボランティアの参加が許可されるかを明らかにしなかったが、国内メディアは500人程度になるだろうと伝えている。(c)AFP