【3月22日 AFP】アフリカ・コンゴ共和国で21日に行われた大統領選は、36年間にわたり権力の座にあるドニ・サスヌゲソ(Denis Sassou Nguesso)大統領(77)が今回も勝利するとの見方が広がる中、最有力の対立候補が新型コロナウイルスに感染し、投票日翌日に死去したことが分かった。

 対立候補6人のうち最有力とみられていた経済学者のギブリス・パルフェ・コレラ(Guy-Brice Parfait Kolelas)氏(60)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療のためフランスへ搬送中、「医療用航空機内で死亡した」という。コレラ陣営の代表者が22日、AFPに明らかにした。

 コレラ氏は20日、新型コロナウイルスに感染し重症だと公表していた。

 病床から撮影・投稿した動画メッセージの中でコレラ氏は、人工呼吸器のマスクを外して「死と闘っている」と告白。「一人の人間として立ち上がれ。(中略)私は死の床で闘っている。皆さんも、変化を勝ち取るために闘おう」と支持者らに呼び掛けると、再びマスクを装着した。

 21日の大統領選は、最大野党が選挙をボイコットし、インターネットへの接続が遮断されるなど、透明性が懸念される中で投票が行われた。一部地域では選挙人名簿に名前がないと訴える有権者もいた。

 元落下傘兵のサスヌゲソ大統領は、1979年に初就任。36年にわたって権力を掌握しており、世界最長政権を担う指導者の一人だ。

 大統領選の暫定結果が判明するまでは数日かかる見通し。(c)AFP