【3月22日 AFP】米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は20日、大量のデータを収集する同社の自動車が中国へのスパイ活動に使われることは決してないとして中国政府の懸念を強く否定した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

 マスク氏は同日、北京で開かれた政府系の会議「中国開発フォーラム(China Development Forum)」にオンライン形式で参加し発言した。これに先立ち中国政府は、軍職員や一部国営企業の従業員がテスラ車を使うことを禁じる判断を下していた。WSJによると、中国当局は車載カメラで撮影された写真など、テスラ車が収集したデータが米政府に送られる可能性を懸念している。

 マスク氏は「中国だろうが米国だろうが、民間企業がスパイ活動に関与したとすれば、その社に与える悪影響は極めて大きい」と述べ、個人データを収集し自国政府と共有するリスクを冒すようなことはどの企業もしないと強調した。テスラはAFPからのコメントの求めに今のところ応じていない。

 上海に工場を持ち、生産台数の4分の1を中国で販売するテスラにとって、中国は極めて重要な市場。同社は中国で今年、自動車20万台の売り上げを目指している。(c)AFP