【3月18日 AFP】(写真追加)太陽系の歴史のごく初期に形成された隕石(いんせき)を特定したとする研究結果が、このほど発表された。火山を起源とする隕石としては、これまで知られている中で最古のものになるという。

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「Erg Chech 002」として知られるこの隕石は2020年5月、アルジェリアのサハラ砂漠(Sahara Desert)で発見された。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に最近掲載された論文で、仏ブレスト大学(University of Brest)のジャン・アリックス・バラ(Jean-Alix Barrat)氏と研究チームは、今回の発見ならびに、隕石のいくつかの珍しい特徴について説明している。

 Erg Chech 002は外部が緑色、内部が茶色がかっている。一目見ただけではその特異性には気付くことができないが、実際には極めて希少なものだったのだ。

 地球上でこれまでに記録されている隕石約6万5000個のうち、「(一度完全に溶けて)分化した物質」を含むものは約4000個しかない。この含有物が意味するのは、地殻変動活動のある大型の母天体に隕石が由来するということだ。

 この4000個のうちの95%は、わずか二つの小惑星に由来するが、Erg Chech 002はこのどちらにも当てはまらず、残りの5%に属していた。

「Erg Chech 002と同じスペクトルの特徴を持つ隕石は他に存在していない。このことは、この種の天体がほぼすべて消滅してしまったことを示している。その理由は、より大型の天体や惑星を形成する材料となったか、もしくは単に破壊されたからだ」と論文には記された。

「このような隕石は6万5000個に一つしかない」と、バラ氏は述べた。

 組成分析の結果、Erg Chech 002は約46.5億年前に形成されたことが判明している。(c)AFP/Pierre CELERIER