【8月31日 AFP】地球の表面の70%を覆っている水は、誰もが知っているように生物には不可欠だ。しかし、この水がどのようにして地球に存在するようになったかについては長年、科学者らは議論を交わしてきた。

 この謎の解明に一歩近づく研究結果が27日、フランスのチームによって米科学誌サイエンス(Science)に発表された。論文は、水が存在する理由となった隕石(いんせき)の種類を特定し、地球は形成当初から水が豊富にあった可能性を示唆している。

 研究を率いた宇宙化学者のロレット・ピアーニ(Laurette Piani)氏はAFPに対し、今回の発見は、遠くから飛来した彗星(すいせい)や小惑星によって最初は乾燥していた地球に水がもたらされた、とする通説と矛盾するものだと語った。

 太陽系誕生の初期モデルでは、太陽の周りを渦巻いていた巨大な円盤状のガス雲やちりが徐々に惑星を形成したが、温度が高く氷を維持できなかったとされている。科学者らはこれに基づき、水は後からもたらされたもので、含水鉱物を豊富に含む炭素質コンドライトとして知られる隕石が主要因であるとの理論を立てた。

 だが、炭素質コンドライト説には、化学組成が地球の岩石と厳密には一致せず、太陽系の外縁部で形成される炭素質コンドライトが、初期の地球に衝突する可能性は低いという問題があった。