【3月16日 AFP】米上院は15日、デブ・ハーランド(Deb Haaland)下院議員(60)を内務長官に充てる人事案を、賛成51票、反対40票で承認した。ハーランド氏は米国の先住民初の閣僚として、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権に加わることとなる。

 内務省は、多数の先住民居留地を含む国土の約5分の1を所管している。

 ハーランド氏は、ニューメキシコ州の先住民ラグナ・プエブロ(Laguna Pueblo)の出身で、2018年に先住民出身の女性として初めて下院議員に選出された2人のうちの1人。

 ハーランド氏の内務長官指名をめぐっては、バイデン氏に歴史的決断をするよう訴える嘆願書に、約120の先住民族代表が署名していた。

 ハーランド氏は、内務長官候補として取り上げられるようになった際、気候変動や環境分野で世界が先住民コミュニティーの言葉に耳を傾ける時が来たと語っていた。

 ハーランド氏はシングルマザーで、若い頃アルコール依存症を克服した。生きるため、政府のフードスタンプ(食料配給券)を利用したこともあった。

 ハーランド氏の前に政権内で役職に就いたことがある先住民は、1929~33年にハーバート・フーバー(Herbert Hoover)大統領の下で副大統領を務めたチャールズ・カーチス(Charles Curtis)氏のみ。(c)AFP