26光年先の「スーパーアース」、太陽系外生命探査の道開くか
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■大気調査のロゼッタ・ストーン
グリーゼ486bは主星のグリーゼ486(Gliese 486)に非常に近いため、主星の周りをわずか1.5日足らずで1周する。
5大陸の研究者らが執筆に参加した今回の論文の筆頭執筆者で、独マックス・プランク天文学研究所(Max Planck Institute for Astronomy)の研究者のトリフォン・トリフォノフ(Trifon Trifonov)氏は「小型の赤色矮星(わいせい)約350個を対象に、低質量惑星の兆候を調査しました」と話す。
トリフォノフ氏によると、グリーゼ486bは表面温度が430度前後で、生命の存在には適していないという。
同時に「調査対象の惑星(グリーゼ486b)に大気があるなら、(主星から)より遠く、ほぼ同じ特徴を持つ惑星ならば、それらにも大気があるはずです」と、カバジェロ氏は説明する。
グリーゼ486bに大気がなければ、公転軌道上にある他の惑星も生命の存在には適さないことになる。
グリーゼ486bは「特筆すべき発見です。岩石質系外惑星の大気調査のための『ロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)』となる可能性が高いからです」と、トリフォノフ氏は述べている。
トリフォノフ氏は、今年中に予定されているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の配備を心待ちにしている。
JWSTの配備により、グリーゼ486bの大気の有無や組成については、早ければ今から3年後には判別できるようになるはずだ。
最終的に20年ほどたてば、生命の痕跡があるかどうかが分かるようになると、トリフォノフ氏は話した。(c)AFP/Lucie AUBOURG