26光年先の「スーパーアース」、太陽系外生命探査の道開くか
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【3月16日 AFP】地球外生命探査としては、米航空宇宙局(NASA)が実施しているように火星で生命の痕跡を探すのも一つだ。
だが、科学者らは太陽系から遠く離れた場所も調査しようとしている。果たして太陽系外で生命を見つけることができるのだろうか。
5日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究論文では、地球外生命探査で重要な役割を果たすかもしれない新たな太陽系外惑星の発見が明らかになった。
研究者らは「グリーゼ486b(Gliese 486b)」と命名されたこの「スーパーアース(Super Earth、巨大地球型惑星)」に大気があるかどうか、そして太陽以外の恒星の周辺に生命の痕跡が存在するかどうかの調査を試みる予定だ。
論文の共同執筆者の一人で、スペインの宇宙生物学センター(CAB)の天文学者、ホセ・カバジェロ(Jose Caballero)氏は「最終目標は、系外惑星の大気中でバイオマーカー、つまり生命存在指標を見つけることです。これは、生命に適した環境を持つ地球に似た惑星に、生命が存在する痕跡を示すものです」と話す。
過去25年間で約4000個の系外惑星が発見されており、その一部は大気を持つことが明らかになっている。だが、これらはガス惑星か氷惑星で、地球ほどの大きさの惑星の調査はまだ実施されていないと、カバジェロ氏はAFPに説明した。
今回の発見により、「地球に似た岩石質の」系外惑星を研究できるかもしれないと、カバジェロ氏は指摘した。
グリーゼ486bは地球から「わずか」26光年の距離にある。直径は地球の約1.3倍だが、質量は地球の2.8倍で、恒星の「ハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)」内に位置している。
研究者らは二つの手法を用いて、この系外惑星の存在を確認した。惑星が恒星の前を横切る際に恒星の明るさがわずかに変化するのを観測する「トランジット法」と、公転する惑星の重力による恒星の「ゆらぎ」を測定する「ドップラー法」だ。