世界の兵器取引量横ばい、輸入から自国生産へ 国際平和研
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【3月15日 AFP】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は15日、世界の兵器取引量に関する報告書を公表し、2016~20年の取引量を11~15年と比較したところ横ばいだったと発表した。しかしその理由は必ずしも世界がより平和になったからではなく、一部の国が輸入を避けて自国生産に乗り出していることが背景にあると分析している。
2011~15年と16~20年の比較で、世界5大兵器輸出国のうち米国、フランス、ドイツの輸出量が増加。一方でロシアと中国からは輸出が減少したため、増加分は相殺された。
冷戦(Cold War)終結以降、兵器輸出量は史上最多規模で推移しているが、直前の5年間に比べて増加しなかったのは2001~05年以来となった。
SIPRIのシーモン・ウェゼマン(Siemon Wezeman)上級研究員はAFPに対し、「需要は高いままだが、さらに増えてはいない」と述べた。
一方、兵器の輸送先には変化が見られ、16~20年には中東での需要が直前の5年間に比べて25%増加した。輸入国のトップはサウジアラビアで、世界全体の輸入量の11%を占めた。サウジの輸入元の79%が米国だった。
第2位のインドの輸入は33%減っており、報告書ではその主な理由として「調達手順の複雑さと、ロシア製兵器への依存度を下げる意図」が挙げられている。
ウェゼマン氏は、輸入量の減少は必ずしも各国の兵力拡大意欲の低下を示すものではないと強調。一部諸国は、輸入を抑えて自国生産分で補う傾向を示している。(c)AFP