【3月13日 AFP】世界保健機関(WHO)は12日、新型コロナウイルスの感染が拡大しているブラジルに対し、急増する感染者と死者を抑制して医療制度の逼迫(ひっぱく)を緩和する「しっかりとした措置」を実施するよう求めた。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、ブラジルの状況について「非常に憂慮している」と述べ、「感染者数だけでなく死者数も増加している」と指摘した。

 ブラジルは今週、新型コロナによる1日当たりの死者数が2000人を超えた。米国に次いで世界で2番目に死者数が多いブラジルでは、(日本時間12日時点で)累計感染者数が1127万人を超え、死者数は約27万3000人に上っている。

 医療専門家らは、ブラジルでの感染拡大は、より感染力の強い変異株によって加速していると指摘している。変異株の一つ「P1」は、アマゾンの熱帯雨林があるマナウス(Manaus)やその周辺で発生したと考えられている。

 テドロス氏は、ブラジルの切迫した状況は、他国にまで悪影響を及ぼす危険があると警告。「ブラジルで今後も深刻な状況が続くなら、近隣諸国は影響を受けるだろう。(中略)影響はさらに広がる可能性もある」と述べた。(c)AFP