【3月13日 AFP】新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大しているイタリアで12日、過半数の州で15日から学校、レストラン、店舗、博物館や美術館などが閉鎖されることが決まった。マリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相は、新型コロナ感染の「新たな波」を警告した。

 1年前に欧州で初めて新型コロナウイルスの感染が拡大したイタリアでは現在、感染力の強い変異株が急速に拡大している。

 ロベルト・スペランツァ(Roberto Speranza)保健相は、15日に北部と中部を中心とした8つの州とトレント(Trento)自治県を新たに危険性の高い「レッドゾーン」に指定する。

 これにより全20州のうち11州がレッドゾーンとなり、ローマやミラノ(Milan)もレッドゾーンに含まれるようになる。レッドゾーンの住民は仕事や健康上の理由などやむを得ない場合を除き、外出が禁じられる。

 イタリアで唯一危険性が低い「ホワイトゾーン」に分類されているサルデーニャ(Sardinia)州では規制措置は実施されないが、その他の州は危険性が中程度の「オレンジゾーン」になり、学校は休校しないものの、レストラン、バー、博物館や美術館などは閉鎖される。

 イタリアでは昨年12月下旬にワクチンの接種が始まったが、欧州の他の国々と同様、供給の遅れに悩まされている。現在、イタリアでワクチンの接種は1日に約17万回行われているが、ドラギ首相は「これを早急に3倍に増やすのが目標だ」と述べた。(c)AFP/Alice RITCHIE