【3月13日 AFP】「クアッド(Quad)」と呼ばれる日米豪印4か国は12日、初の首脳会議をオンラインで行い、インドで来年末までに新型コロナウイルスワクチンを少なくとも10億回分製造するための共同計画を発表した。世界各国へのワクチン供給を進める中国に対抗する動き。

 会議には菅義偉(Yoshihide Suga)首相のほかジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領、インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相、オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相が参加。今回はオンラインでの会議となったが、バイデン氏は今年中に対面での会議を開くことを約束した。

 バイデン氏はこれまで、高まる中国への懸念を受け、各国との同盟関係の復活を宣言してきた。4首脳は今回の会談で、中国への直接の言及は避けつつも、同国を意識した発言を繰り返し、インド太平洋地域を「自由で開かれた」ものにすると宣言。バイデン氏は、「国際法に沿って統治され、普遍的な価値観の支持に努め、強制のない」同地域の実現に向けた努力を再確認した。

 4か国は今後目指す具体的な成果として、インドの製薬会社バイオロジカル(Biological)が2022年末までに、新型ウイルスのワクチンを少なくとも10億回分製造すると明言。世界保健機関(WHO)が12日に承認した接種1回型の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンを中心に製造を進めるとした。

 2019年末に新型ウイルスを初めて検出した国となった中国は、自国のイメージを世界の癒やし手としてのものに置き換えることを目指し、ワクチンを中米ドミニカ共和国などの遠隔地や、南アジアのパキスタンやアフリカ南部のジンバブエなど同盟国に出荷している。(c)AFP/Shaun Tandon with Bhuvan Bagga in New Delhi