【3月12日 AFP】米国防総省は11日、米軍での女性兵士の増加が「制御不能」で、軍とその使命を「愚弄(ぐろう)」していると述べたとして、米FOXニュース(Fox News)の司会者、タッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏を強く非難した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は8日、輸送軍(USTRANSCOM)と南方軍(SOUTHCOM)の司令官に女性を指名した。

 バイデン氏はその後、指名した2人とカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領と一緒に撮影した写真をツイッター(Twitetr)に投稿。「副大統領と米軍の将官はこのようなものであるべきだと、すべての子どもに知ってほしい」とキャプションを添えた。

 カールソン氏はこの人事発表を受けて、同日夜の番組で米軍に所属する女性兵士の増加を非難。妊娠した女性兵士の写真を背景に、「新しい髪形(規定)に妊婦用の航空服。妊婦が戦争に行くつもりだ」と述べた。

 さらに、「中国軍が世界最大の海軍を組織して強く男性的になる一方、わが軍は弱く女性的になる必要があるとジョー・バイデン氏は言う」と述べ、「米軍と、その基本使命である戦争における勝利を愚弄している」と語った。

 国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は11日、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)長官をはじめとする同省の幹部が、カールソン氏の発言に強い不快感を示していると明らかにした。

 カービー氏は記者会見で、「多様性はわが軍最大の強みの一つ」で、「人事についてトーク番組の司会者や中国軍の意見に耳を貸すなど、あってはならない」と述べた。

 カービー氏によると、女性は現役兵士130万人の17%を占め、パイロットから艦長まで、ほぼすべての職種で活躍している。(c)AFP