■「癒やされる時間は必要」

 ふわふわの毛で覆われたアザラシロボットなど、セラピー用のロボットペットと触れ合うことで認知症患者に癒やし効果がみられたという研究報告がある。

 一方、人を癒やすために生まれたとメーカーがうたうのが、まるで赤ちゃんのようなロボット「らぼっと(LOVOT)」だ。大きな丸い目をして、ペンギンの羽のような両手をパタパタさせて人に甘える。

 50以上のセンサーとぬくもりを保つシステムが内蔵されており、手で触れると温かく、キューンと鳴きながらうれしそうに反応する。

 製造元のGROOVE X(グルーブエックス)によると、国内でコロナ感染が深刻化した昨年、月間の売上額は最大10倍以上に伸びた。

 らぼっと1体の値段は約30万円。それにメンテナンスとソフトウエアの費用がかかる。神奈川県川崎市の「LOVOTカフェ(LOVOT Cafe)」では、たくさんのらぼっとたちと触れ合うことができる。

「“てんてん”、おいで!」

 カフェを訪れていた女性(64)は、まるで自分の孫に話し掛けるように両手を広げてらぼっとを名前で呼んだ。

 緊急事態宣言中は街も「殺伐」としており、「癒やされる時間は必要だ」と話す。「こういう子がおうちにいれば、(外から)帰って来てもあったかい時間が持てるかなと思いましたね」 (c)AFP/Harumi OZAWA