■節度ある狩猟

 狩猟の初心者は「森林や野原と動物との関係を理解しようとする」と言うのは、ドイツ北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州でハンティングスクールを主宰しているアレクサンダー・ポルファース(Alexander Polfers)さんだ。同校は年間600枚の免許を発行する。

 ライスさんは、ソーシャルメディアを通じて狩猟者は残酷だというイメージを払拭(ふっしょく)したいと言う。「大事なのは、ビオトープ(生態環境)を保護し、農民と話し合い、森の経済を守ることです」。彼女のインスタグラム(Instagram)のアカウントは2万人以上にフォローされている。

 熱烈なハンターとして知られる兄弟、パウル・ライルマン(Paul Reilmann)さん(25)とゲロルト・ライルマン(Gerold Reilmann)さん(22)は、フェイスブック(Facebook)に3万人を超えるフォロワーがいる。しかし、ライルマン兄弟が獲物と撮った写真は、動物福祉のための活動が活発なドイツでは反発も呼ぶ。

 動物愛護NGO「アニマルライツウオッチ(Animal Rights Watch)」の広報担当者サンドラ・フランツ(Sandra Franz)氏は「狩猟家に合理的な言い分があるとすれば、獲物を殺し、戦利品として陳列するという欲望です」と語る。

 一方、狩猟家は、林業従事者や農民が賛同している野生動物の生息地に関する規則に従わねばならない。これら関係者は、シカが若木の新芽を食べたり、イノシシの群れがトウモロコシ畑を荒らしたりするのを防ぐための大掛かりな駆除を支持する場合が多い。

「森林警備隊員とは常に争っている」と狩猟家のグレザーさん。「ハンターは、動物の生息数が多いとうれしいものです」(c)AFP/Jean-Philippe LACOUR