【3月8日 People’s Daily】春節(旧正月、Lunar New Year)は中国の飲食産業にとって消費が伸びる時期である。中国商務部が2月17日に発表したデータによれば、2月11日から17日にわたり、全国の重点小売り・飲食企業は8210億元(約13兆7000億円)の売り上げを達成し、これは去年の春節大型連休と比べて28.7%の増加であった。

 今年の春節は、感染症拡大防止の基本の上に、飲食企業の自主的な取り組みとして、豊富な提供メニューや、オンライン・オフラインを駆使した経営モデルの刷新、またデリバリー企業への積極的な対応を見せ、消費者に多元化した高品質な飲食サービスを提供した。

 春節の間、重慶(Chongqing)のとあるレストランは大いに繁盛したという。元日の午後3時、すでに昼食の時間は過ぎていたが、レストランの戸口には人影が絶えない。店長の陳聡(Chen Cong)さんは1年で最も忙しい時期を迎えていた。

「今年打ち出したのは年越しのごちそうを家にデリバリーするサービスで、忙しくなりました」と、陳さんは笑いながら言う。「でも、忙しくてもサービスと感染防止はできています」。陳さんによれば、感染拡大防止のため、体温測定や工程の記録、消毒などを欠かさないそうである。

 帰省しないことを選んだ人々の間では、年越しのごちそうを少人数分デリバリーしてくれるサービスが好評であった。また、年越しの食事をデリバリーするだけでなく、シェフを家に派遣して料理をしてくれるサービスを行うレストランも現れた。味やメニューは顧客と事前に打ち合わせるという。

 今年の春節では、多くの人が帰省しないことを選び、飲食業、とりわけデリバリー飲食業が熱を帯びた。美団デリバリーが示したデータでは、1月15日以来、プラットフォーム上では「年越しのごちそう」の検索数が去年の同期比200%に跳ね上がったという。

「去年と違って、今年は多くの飲食店が春節期間中も営業を続けました。私たちの統計によれば、全国の飲食店の営業率は70%近くになります」と、美団デリバリー関係者は記者に語った。「昨日は大みそかでしたが、もともと注文はそんなに多くならないだろうと思っていて、まさか40件以上の注文が来るとは思っていませんでした」と、同社のドライバーは言う。彼は今年の春節に持ち場で仕事を続けることを選んだ。

 多くの人が帰省して地元の家族や親せきと団らんするのではなく、デリバリーを利用して自分で年越しのごちそうを用意することを選んだ。大みそか当日には、全国のデリバリー注文量は同期比70%増加し、中でも有名店のデリバリーが人気を博した。

 年越しの食事に関しては半加工品や、小人数パックなども人気商品となり、年越しの食事の選択はますます多様化したといえる。(c)People’s Daily/AFPBB News