【3月6日 AFP】米カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)のサンディエゴ動物園(San Diego Zoo)で、9頭の大型類人猿が、人間以外の霊長類としては初めて新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた。

 オランウータン4頭とボノボ5頭が、動物用医薬品・ワクチンの製造などを手がける企業ゾエティス(Zoetis)が作った実験的ワクチンを2回接種された。

 同動物園では今年1月、ニシローランドゴリラ8頭が飼育員から新型コロナウイルスに感染した。感染したゴリラは、感染によって抗体ができたと考えられることから、ワクチンは接種されなかった。

 同動物園を運営するNPO「サンディエゴ・ズー・グローバル(San Diego Zoo Global)」の保全・野生動物保健担当、ナディーン・ランバースキー(Nadine Lamberski)氏は米誌ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)に対し、実験的ワクチンをこの段階で動物園の動物に使用するのは「標準的なことではない」と語った。「私のキャリアの中で、これほど早い時期に実験的ワクチンを使用できたことはなかったし、使用することをこれほど強く望んだこともない」

 獣医師らは、飼育下の動物や自然環境に生きる野生動物にさまざまな疾病のワクチンを日常的に接種している。今回接種されたコロナワクチンは、すでに猫と犬でテストされていた。(c)AFP