■重要なのは数値化と、人に責任を持たせること

 JPモルガン・チェースのプロジェクトマネジャー、サム・セイパースタイン(Sam Saperstein)氏によると、同社のジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEOはさまざまなアイデアを形にしようと、2018年に「Women on the Move(活動する女性たち)」プログラムを創設した。

 それにより、社内の全女性社員が参加できるキャリアアップ・プログラムが始動し、昨年、初回の集まりには約500人が参加。2回目には2000人が参加を申し込んだ。

 資産運用の世界は今なお男性が多くを占めるが、そうした現状を打開するため、2015年に発足した団体「Girls who Invest(投資する女性たち)」は、2030年までに世界中の投資ファンドの30%を女性に運用してもらう目標を掲げている。

 同団体によると、ベンチャー投資企業の管理職に就いている女性は現在わずか6%。ヘッジファンド会社になると、3%しかいない。

 同団体は、大学で勧誘した学生に研修を行い、インターンシップの機会を提供している。

 カタリストのハリトン氏は、「変化を起こすのに不可欠なのは、数値で表すことと、人に責任を持たせること」だと主張する。

 フレイザー氏の前任者のマイケル・コルバット(Michael Corbat)氏は、シティグループの多様性に関するデータを業界で初めて公開した一人だ。

 さらにハリトン氏は、極めて重要な課題は、スポンサーシップ・プログラムや育児休業といったさまざまな支援策を企業が整備することだと語った。(c)AFP/Juliette MICHEL