【8月17日 AFP】サウジアラビア当局は16日、イスラム教の二大聖地、メッカ(Mecca)とメディナ(Medina)の宗教施設の要職に、女性10人を任命したと発表した。保守的なイスラム教王国サウジアラビアでは異例の人事だが、同国は今、女性の雇用を促進している。

 二大聖地の管理当局の声明によると、女性たちは2つの聖モスクの管理部門や技術部門など、さまざまな部門にまたがる要職に任命された。「高学歴で能力の高いサウジアラビア女性の社会進出」を後押しするのがこの人事の目的だとしている。

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)は、石油依存に終止符を打ち経済の多様化を目指す改革「ビジョン2030(Vision 2030)」を掲げ、幅広い分野で規制緩和を推進している。女性の雇用促進も、その一環だ。

 しかし、自動車の運転解禁などの改革が進む一方で、当局に異議を唱える女性らに対する弾圧も行われている。女性の運転する権利を長年訴えてきた女性活動家10人余りが拘束・訴追されており、その中には尋問中に拷問や性的嫌がらせを受けたと訴えている人もいる。(c)AFP