【2月26日 AFP】(写真追加)女子体操の五輪米国代表監督を務めたジョン・ゲダート(John Geddert)容疑者が25日、人身売買や性的暴行の罪で訴追された数時間後に自殺しているのが見つかったと、同国ミシガン州のダナ・ネッセル(Dana Nessel)司法長官が明らかにした。

 長官は「きょう午後遅く、自殺したジョン・ゲダートの遺体が発見されたとの報告を受けた」と公表し、「関係者全員にとって、悲劇の物語の悲劇的な結末だ」と述べた。午前中に配信されたオンライン会見では、ゲダート容疑者が同日に出頭し、午後には裁判所に召喚される予定であると明かしていた。

 ゲダート容疑者は、米国体操連盟(USA Gymnastics)の元医師で性的暴行の罪で事実上の終身刑を科されたラリー・ナサール(Larry Nassar)受刑者が、医師として働いていたミシガン州ランシング(Lansing)郊外の練習施設「ツイスターズ(Twistars)」を所有していた。

 同州の司法当局はこの日、24件の罪でゲダート容疑者を訴追したことを明らかにしていた。罪には13歳から16歳のアスリートに対する性的暴行が含まれ、同容疑者による若手選手の扱いは人身売買の罪になるとされていた。同容疑者は「門下のアスリートたちがけがや危害を被るなどの極限状態で、労働や奉仕を強要していた」と伝えられていたという。

 元米女子体操選手のジョルディン・ウィーバー(Jordyn Wieber)氏の個人コーチだったゲダート容疑者は、ナサール受刑者と個人的に親しく、仕事上の関係にもあったことから厳しい目が向けられていた。多くの被害者からは、問題の練習施設において、ゲダート容疑者にナサール受刑者の治療を受けるよう言われていたと訴えられていた。同受刑者は治療を口実に複数の若い女子体操選手に性的暴行を加えていた。

 ゲダート容疑者は、2018年に米国体操連盟から資格停止処分を受けると、指導者から即座に引退し、ナサール受刑者の犯罪については「一切関知していない」と主張していた。

 しかしながら、約200人にも上る被害者の女性や少女とその家族らが、同受刑者と対峙(たいじ)した3週間にわたる量刑審問では、ゲダート容疑者から身体的暴行や言葉による虐待を受けていたと、ツイスターズの体操選手たちが訴えていた。(c)AFP/Rebecca BRYAN