【2月25日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は25日、自国が極度の貧困の撲滅という「人類の奇跡」を成し遂げたと宣言した。しかし共産党がそう主張する基準は、引き続き疑問視されている。

 習主席は首都北京で催された華やかな式典で、地方部の自治体関係者らに勲章を授与した。出席者の中には、少数民族の伝統衣装を着た人もいた。

 この「中国の手本」を開発途上諸国と共有すると約束した習氏は、「これほどの短期間に、何億人もの人々を貧困から救える国は他にない」「歴史に残る、人類の奇跡が生まれた」とたたえた。

 中国は昨年、全国民の収入を生活に必要な1日当たりの収入を示す貧困ラインの2.30ドル(約240円)以上に引き上げるという長年の目標を達成したと宣言していた。

 この貧困ラインは、世界銀行(World Bank)が定める国際貧困ラインの1.90ドル(約200円)をわずかに上回っているものの、より所得の多い国に設定されている額には届いていない。

 中国における生活水準は1970年代から激変し、今では数億人が、過去の世代には想像もできなかった消費生活を送っている。

 しかし中国政府の主張には懐疑的な目も向けられており、貧困ラインが低めに設定されている、貧困政策予算に絡む汚職疑惑がある、党の政策目標に見合うように公式統計がゆがめられているといった指摘が出ている。(c)AFP