【2月24日 AFP】2歳で神童と呼ばれた頃から、2019年のマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2019)での劇的な復活優勝まで、驚くべきゴルフ人生を送ってきたタイガー・ウッズ(Tiger Woods)選手だが、自動車事故で脚に大けがをしたことで、今後のキャリアの見通しがまったく立たない状況に陥っている。

 現在45歳のウッズ選手は、23日の早朝に米ロサンゼルス近郊で自動車事故を起こし、脚の複数箇所にけがをして緊急手術を受けた。

 ここ四半世紀のスポーツ選手としては、世界有数の知名度を誇るウッズ選手は、ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏の最多18勝まであと三つとなるメジャー15勝を挙げ、米ツアーの勝利回数でもサム・スニード(Sam Snead)氏と並ぶ最多82勝を記録している。しかし、今回のけがで、記録破りのキャリアが終わる可能性も取り沙汰されている。

 ウッズ選手は過去にも複数の困難に見舞われている。腰と膝には何度もメスを入れ、2009年には複数の女性との不倫が発覚して謝罪会見を強いられ、その後に離婚した。腰の手術からの復帰を目指していた2017年には、酒に酔うか、薬物を使用するかした状態で車を運転して逮捕され、逮捕後に撮られた写真は世界に衝撃を与えた。

 それでも2019年には、1997年に黒人選手初の優勝をコース記録で飾ったマスターズで、2008年以来11年ぶりとなるメジャー制覇を果たし、かつて父親と抱き合って喜んだオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)の18番グリーン脇で、今度は子どもたちをハグして優勝を喜んだ。

 一時は日常生活をまともに送ることすら危ぶまれたウッズ選手は、この瞬間に腰のけがからの完全復活を印象付け、同時に次の栄光を目指すチャンスをつかんだはずだった。

 史上最長となる世界ランキング1位在位通算683週の実績を持つウッズ選手だが、現在のランクは50位となっている。(c)AFP/Jim SLATER