【4月15日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーのメジャー第1戦、第83回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2019)は14日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)で最終日が行われ、タイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が逆転優勝を飾った。自身5着目のグリーンジャケットと、メジャー通算15勝目を獲得し、現役続行も危ぶまれたスキャンダルと負傷からの完全復活を果たした。

 2017年に腰椎を固定する手術を受ける前は、ツアーで勝つどころか日常生活にも支障をきたすほどの腰痛に悩まされ続けていた43歳が、2008年の全米オープン選手権(US Open Championship)以来11年ぶりとなるメジャーのタイトルをついに獲得した。

 マスターズ制覇は2005年以来自身5回目で、ジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)氏の史上最多メジャー18勝にもあと三つに近づいている。また、3日目を終えて首位以外からの逆転メジャータイトル獲得も、ウッズにとっては初めての経験となった。

 雷雨が近づく中で時間との闘いとなった最終日、米ゴルフ界有数の名舞台では選手たち自身がしびれる雰囲気をつくり出し、ギャラリーも好ショットが生まれるたびに繰り返し歓声をあげた。

 全英オープン(The 147th Open Championship)覇者のフランチェスコ・モリナリ(Francesco Molinari、イタリア)と2打差の2位タイから出たウッズは、2オンに成功したパー5の15番でバーディーを奪い、通算13アンダーの単独首位に浮上すると、続くパー3の16番でも1.2メートルのバーディーパットを沈め、2ホールを残してリードを2打差に拡大した。

 そして17番をパーとして迎えた18番では、十重二十重に囲んだギャラリーが祝福の拍手を送りながら待つグリーンへ歩み寄る中でも、厳しい表情を崩さなかったが、タップインボギーで仕事をやり遂げると、ガッツポーズと歓喜の雄たけびでスポーツ史に残る奇跡のカムバック劇を喜んだ。

 最終ホールのグリーンを下りたウッズは、1997年の初優勝時に今は亡き父親のアール(Earl Woods)さんとしたように、母親と抱擁を交わし、息子を抱き上げてボルトを入れた腰でしっかり支えた。ギャラリーがウッズの名前をチャントする珍しい光景も見られ、クラブハウスの入り口ではライバルたちが優勝を祝福した。

 ウッズはこれで、ニクラス氏が持つマスターズ最多6勝に迫るとともに、サム・スニード(Sam Snead)氏が持つ米ツアー最多記録にもあと一つに肉薄する、ツアー通算81勝目を飾っている。

 最終日にスコアを2ストローク伸ばしたウッズは、通算13アンダーでフィニッシュ。1打差の2位タイには、メジャー3勝のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)、世界ランキング2位のダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)、ザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele)という米国トリオが並んだ。(c)AFP/Jim SLATER