【3月5日 AFP】米俳優エディ・マーフィ(Eddie Murphy)さん(59)主演で1980年代にヒットしたコメディー映画『星の王子ニューヨークへ行く(Coming to America)』の続編が、5日に公開される。

 1988年公開の同作は、当時ハリウッド(Hollywood)で固く信じられていた、黒人キャストが多い映画は海外では不振に終わるとの迷信を打破した。

 黒人のスーパーヒーローが活躍する2018年の映画『ブラックパンサー(Black Panther)』が大成功を収め、この迷信が永久に葬り去られた今、マーフィさんは続編『星の王子ニューヨークへ行く2(Coming 2 America)』を世に送り出す時が来たと考えた。

 ただマーフィさんは、多くのキャストを黒人が占める先の2作品の成功は、人種差別が絡む政治問題や歴史、また今日の「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のような抗議運動への関心の高まりとは無関係だとみている。

「私たちの映画の大半は、世の中の不公平性や社会不安に光を当てるものだ。(中略)だが世界では、そんなこと誰も気にしちゃいない」とマーフィさん。「『星の王子ニューヨークへ行く2』もそんなことには関係ない。ただ家族や愛、正しい行いをすること、そして伝統についての物語だ」

 続編は、マーフィさん演じるアフリカの架空の国の王子が今や王となり、かつて結婚相手を探したニューヨークを数十年後に再訪し、王位継承者となるべき生き別れた息子を捜すというストーリー。

 マーフィさんは先日の記者会見で、1作目が「映画史上初めて世界中で成功した、黒人だけが主要キャストを務めた映画」であることを誇りにしており、「同作の遺産は、あらゆる人が共感できるということだ」と語っている。

『星の王子ニューヨークへ行く2』は5日、動画配信サービス「アマゾンプライムビデオ(Amazon Prime Video)」で配信される。(c)AFP/Andrew MARSZAL