【2月23日 AFP】モロッコ北部沿岸のスペインの海外領メリリャ(Melilla)で19日、有毒廃棄物の袋の中に隠れ、意識を失った密航者が見つかった。現地警察が22日、発表した。

 発見された人物は、石炭を燃やした際に発生するフライアッシュ(石炭灰)を詰めて密封されたプラスチック袋の中に入っていた。フライアッシュは欧州連合(EU)の廃棄物関連法で有毒廃棄物に分類されている。

 第一発見者の警官は最初、人の脚のような形に気付き、遺体だと思ってすぐに救急車を呼んだ。しかし、袋を外したところ、中に入っていた人は意識を取り戻し、一命を取りとめた。

 警察はこの日、メリリャの港で、スペイン本土行きの船に密航しようとトラックなどに隠れていた移民41人を発見した。何人かはリサイクル用の割れたガラスがいっぱいに詰まったコンテナに隠れ、「多数の切り傷」を負っていたという。

 陸路・海路で昨年スペインに密入国した不法移民は、前年比約30%増の4万1000人以上に上った。

 その半数以上は危険な海を渡ってスペイン・カナリア諸島(Canary Islands)に到着している。

 昨年、カナリア諸島に到着した不法移民の数は、前年の8倍に上った。増加の原因は、地中海でパトロールが強化されていることから、移民が代替ルートを探しているためだとみられている。

 アフリカには欧州連合(EU)加盟国と地続きの国境境界がメリリャと、同じくモロッコに接するスペイン海外領のセウタ(Ceuta)にしかなく、不法移民の流入が問題化。フェンスを乗り越えたり、海岸沿いに泳いで入ろうとしたりする例が後を絶たない。昨年は約1500人がメリリャに入った。(c)AFP