【2月20日 AFP】中国の国営メディアは、昨年6月にヒマラヤ(Himalaya)の国境地帯で発生した人民解放軍とインド軍による衝突の映像を公開した。両軍の緊張が高まっている同地帯での衝突の様子が公になるのは異例。

 中国国防省は19日、昨年6月の衝突で中国側に4人の死者がいたと実名入りで初めて公表。衝突でインド軍は少なくとも20人が死亡したことが分かっている。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)が放送した映像には、カラコルム(Karakoram)山脈でインド軍兵士らが「警察」と書かれた盾や警杖(じょう)を手に川を渡り、中国軍兵士らに向かって歩いて行くとされる様子が捉えられている。

 映像に映っている兵士は「(インド軍兵士らが)今、新たなテントをこちらに移してきた」と述べ、インド側が合意を破り、中国軍兵士を「挑発」するために一線を越えたと主張。映像ではその後、両軍が大人数で衝突する様子や、頭に血が付いたまま横になっている男性を中国軍兵士らが手当てしているところが捉えられている。

 高地の係争地ガルワン(Galwan)渓谷の国境地帯で起きた衝突は、ここ数十年の両国の衝突の中で最悪レベルの事態となった。

 CCTVは、中国軍側の最年少の死者は19歳だと報じている。(c)AFP