【2月19日 AFP】新型コロナウイルスの影響で延期された東京五輪の開幕まで5か月余りに迫る中、女性蔑視発言で辞任した森喜朗(Yoshiro Mori)氏(83)の後任として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の新会長に就任した橋本聖子(Seiko Hashimoto)氏(56)が18日、組織委員会の「信頼回復」に努めていくとの決意を表明した。

 現役時代に通算7度の五輪出場を果たした橋本氏は、現内閣で2人しかいない女性閣僚の1人だったが、就任に先立ち五輪相を辞任し、森氏の後任に就任した。森氏は「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」と発言して国内外から厳しい批判を浴びたことを受け、先日辞任していた。

 橋本氏は就任記者会見で、「多くの方は、組織委員会が大会を契機としたジェンダー平等の推進にいかに取り組もうとしているか、注目されている。その事に関しては、スピード感をもって進めて、組織委員会に対する皆さまからの信頼回復に努めていきたい」と述べた。

 また、組織委員会での女性の比率を40パーセントに増やすことや、森氏の発言に抗議して辞退した聖火ランナーやボランティアが再び参加できるようにしていくことにも言及した。

 この日まで男女共同参画・女性活躍担当相も務めていた橋本氏は、「(日本では)まだ性別役割分担意識が非常に高いと認識している。組織委員会の改革によって何が変わるかというのも非常に大事」と語った。

 会長就任には難色を示していたと報じられていた橋本氏には、7月23日の開幕までに国民の理解を勝ち取るという困難が待ち受けている。橋本氏は、「国民の皆さん、海外の皆さまにも、これで安心と安全の東京大会だと思ってもらえるような体制をしっかりと整えていきたい」と決意を示しつつ、新型ウイルス対策が五輪の「最重要課題」だと述べた。(c)AFP/Sara HUSSEIN, Kyoko HASEGAWA