【2月18日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka、23)は18日、女性蔑視発言を受けて東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)前会長(83)が辞任し、その後任に女性が選出されたことについて、男女平等の推進に大きく寄与すると歓迎した。

 森前会長は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」との発言で多方面から批判を受け、先週辞意を表明。これについて大坂は「無知な発言」と指摘していた。

 東京五輪の開幕予定日まで5か月しかない中で、橋本聖子(Seiko Hashimoto)前五輪相が18日、新会長に選出された。大会開催に関しては、国内世論は依然として否定的な考えが大半を占めている。

 オーストラリア・メルボルンで開催中の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)で、女子シングルス準決勝の試合後に会見した大坂は「私にとって今回のことが意味するものは、昔なら人々が容認していたことや、昔なら言えたことがたくさんあるけれど、こうしたたくさんのことを許容しない新しい世代が出てきているということ」とコメント。

「前に進もうとしていること、特に女性にとって立ちはだかる障壁が壊されつつあることは、とても良いことだと感じる」と述べ、「私たちはこれまで、ただ平等であるために非常に多くのことと闘ってこなければならなかった。多くのことがまだ平等ではないけれど、(今回のことは)良いことだと思った」と語った。

 世界で最も稼ぐ女子スポーツ選手の大坂は昨年、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)の大会中、人種差別と警察による暴力の被害者の名が書かれたマスクを着用し、社会問題をめぐっても影響力を持つ存在となった。(c)AFP