【2月18日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)で9度目の優勝を目指す大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が18日、「失うものは何もない」ロシアの予選勝者アスラン・カラツェフ(Aslan Karatsev)との男子シングルス準決勝に臨む。

 3回戦で負傷して以来、腹部のけがに悩まされている世界ランキング1位のジョコビッチは、カラツェフの今大会のサプライズはあまり見ていないと認めたが、わずかな情報で軽く見てはならない相手だと確信したという。

 四大大会(グランドスラム)通算18勝目を目指しているジョコビッチは、グランドスラムの本戦では18セットしか経験していないカラツェフについて、「彼はその動きとベースラインからのパワーで多くの人を驚かせている」とコメントし、「ロシア勢に特徴的なフラット系のバックハンドを持っている。素晴らしいバックハンドだ。走力もありそうだし、プレーを支配できる良いフォアハンドもある」と評価した。

「彼には失うものは何もない。モチベーションにあふれている」と警戒するが、準決勝で番狂わせは起きないと予想されている。

 一方、現在27歳のカラツェフは、今大会の結果を受けて大会後のランキングで50位以内に急浮上することが確定している。

 グランドスラム初出場の選手が4強入りを果たすのは、オープン化後では今回のカラツェフが初めてで、全豪オープンで予選勝者がここまで勝ち上がるのも、1977年のボブ・ギルティナン(Bob Giltinan)氏以来2人目となる。

 また、カラツェフは現在ランク114位で、これは2001年に125位でウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)4強入りを果たしたゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏の後では、最も低い順位でのグランドスラム準決勝進出者となった。

 第8シードのディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)、第20シードのフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)、そして第18シードのグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)を次々と破って準決勝に進んだカラツェフにとって、次のジョコビッチ戦は究極の試練となる。

 ジョコビッチは全豪で19連勝中だが、カラツェフにひるんだ様子はなく、実質無名の状態から夢のような快進撃で勝ち上がり、注目を集めていることを楽しんでいるという。

 ディミトロフとの準々決勝後にカラツェフは、「(メッセージアプリの)ワッツアップ(WhatsApp)に200件くらいメッセージが届いた。もっと増えるだろうね」と明かし、「もちろん予選から準決勝に進むなんて信じられないこと。この瞬間を、一つ一つのプレーを楽しもうと心がけている」と話している。(c)AFP