【2月18日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)は17日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第5シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は3-6、2-6、7-6(7-4)、6-4、7-5で第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を破り、準決勝に進出した。「悟りの境地」を開いての2セットダウンからの逆転だったと話している。

 四大大会(グランドスラム)歴代単独最多となる21回目の優勝を目指したナダルは、開始2セットを連取して快勝で4強入りするかに思われたが、チチパスの反撃に遭い4時間5分の激闘の末敗れた。グランドスラムで2セットアップから敗れるのは、2015年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)3回戦のファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)戦以来2度目となった。

 22歳のチチパスは時折短気と評されるが、この日は敗退の瀬戸際で意識的に努めた冷静なアプローチが実を結んで逆転に成功した。

 49本のウイナーと17本のエースを記録し、ナダルとの8度目の対戦で2勝目を挙げたチチパスは、「あれこれ考えなかった」と振り返り、「自分自身をどう表現したらいいだろうか。悟りの境地。頭で考えるのではなく、ただただプレーしていた」と話した。

「きょうは目が覚めたときとてもリラックスしていた。物事が自分の思い通りに進むと感じた」

「試合を通じてとても穏やかな気分だった。観客がいなかったことでこういうふうに自分を保てたのかもしれない」

 初のグランドスラム決勝進出を目指す準決勝では、好調ダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)と対戦する。メドベージェフには1勝5敗と分が悪いチチパスは、「彼は本当に気をつけなければならない相手。リスクを取ってプレッシャーをかけなくてはいけない」と気を引き締めた。

 また、これが今大会2度目の5セットマッチだったが、「完全に疲労困憊(こんぱい)ではない。経験を積んで力の抑えどころが分かってきた」と付け加えた。

 準決勝のもう1試合では、大会連覇を目指す大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロシアの予選勝者アスラン・カラツェフ(Aslan Karatsev)が対戦する。(c)AFP