「ダイヤモンド・プリンセス」集団感染から1年、巻き返し図るクルーズ業界
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■「素晴らしいとは言えない」予約状況
あれから1年がたち、クルーズ業界はコロナ禍がもたらした規制強化を痛感している。
カナダは2022年2月までクルーズ船の自国海域への航行を禁じている。また米疾病対策センター(CDC)はクルーズを避けるよう勧告している。
そうした中、米当局は昨年、段階的なクルーズ再開に向けた規則を打ち出した。クルーズ運航事業者は、船内へのウイルス検査設備の設置を義務付けられ、クルーズ期間は7日以内とされた。船上でのマスク着用は必須になった。
カーニバルクルーズ(Carnival Cruises)、ロイヤル・カリビアン(Royal Caribbean)、ノルウェージャンクルーズライン(Norwegian Cruise Line)のクルーズ各社は、4月下旬から5月上旬にかけて米国での運航再開を目指している。
ほのかな希望を感じている関係者もいる。
昨年8月に地中海クルーズを再開したMSCクルーズ(MSC Cruises)によると、同社の全世界での今夏の予約はコロナ禍以前の水準の60%だが、2021~2022年冬季分は80%に回復する見込みだという。
同社のフランス・ベルギー・ルクセンブルク地域代表パトリック・プールベ(Patrick Pourbaix)氏は、「素晴らしいとは言えませんが、壊滅的でもありません」と言う。
ダイヤモンド・プリンセス号元乗員は、同船での仕事に戻りたいと言う。このフィリピン男性は匿名でAFPの取材に応じ、復職への期待を語った。
当時「(船上で)ウイルスが広がっているのは分かっていたが、働くよう言われました」。しかし失業状態は「とても厳しい…とてもストレスを感じます」と嘆いた。さらにクルーズが再開されるときには、スタッフの安全も確保されるはずだと述べた。
夫婦で乗船していた米国人弁護士マシュー・スミス(Matthew Smith)さんは、ダイヤモンド・プリンセスでの体験について、妻とは全く違う感情を持っていると言う。
「彼女はあの時の写真を見ると、とてもつらい経験がよみがえるようです…私にとってはユニークな経験、ある種の冒険を思い出す写真です」。むしろ昨年の米国での経験の方が「はるかに悲惨でした」と続けた。スミスさん夫婦はすでに3回のクルーズを予約している。
ソーシャルワーカーのアラナさんは、運航業者が乗客に対する補償責任を限定していることを知り、二度とクルーズ船に乗らないと言う。それでも自身の隔離体験から、今後の乗船予定者にアドバイスを送った。「バルコニー付きキャビンを取ること…バルコニーと新鮮な空気をお忘れなく!」 (c) AFP/Sara HUSSEIN
