【2月17日 AFP】17日に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)の女子シングルス準々決勝で、大会第25シードのカロリーナ・ムチョバ(Karolina Muchova、チェコ)にまさかの逆転負けを喫した第1シードのアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)が、試合の流れを変えた相手のメディカルタイムアウトについて、選手の権利の範囲内だと敗戦の理由にはしなかった。

 バーティが第1セットを獲得した時点では、試合はほぼ決まったかに思われたが、第2セットの序盤にムチョバがメディカルタイムアウトを取ると、10分近い中断でバーティは勢いを失った。逆にこれで息を吹き返したムチョバは、暑さの中で1-6、6-3、6-2の逆転勝利を収め、オーストラリア出身選手では43年ぶりの全豪制覇というバーティの夢を打ち砕いた。

 ムチョバは試合後、「すごく厳しい流れで、冷静さを失って頭がぐるぐるしていたから、一息入れた。それが良い方へ転んだ」と話している。

 それでもバーティは、そうした行動の是非を判断するのは自分の役目ではないとコメントした。

「トレーナーを呼ぶときは、もちろんアンパイアに理由を告げなくてはいけない。それから医師と理学療法士が出てきて診断する。それはルールの範囲内」

「もちろん、コートを離れて別の場所で治療を受けるのもごく当たり前のことだし、そのためのルールがある。だけど治療を受けるべきなのか、どんな状態なのか、何のためのタイムアウトなのかを判断するのは自分じゃない」

 ムチョバが第2セットのゲームカウント1-2のタイミングでメディカルタイムアウトを取ると、バーティは中断明けの最初のゲームでブレークを許し、そのままこのセットを落とした。バーティは「あれをターニングポイントにしてしまった自分が情けない」と話した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で、1年近くツアーから離れていたバーティだが、今季は開幕から好調な滑り出しを見せ、前哨戦のヤラバレー・クラシック(Yarra Valley Classic 2021)で優勝すると、今大会も4回戦までは1セットも落とさずに勝ち上がっていた。

 それでもバーティは「もちろん、この負けはとてもつらい。だけどそれで気持ちが弱ったり、今季ここまで本当に良いスタートが切れている事実が台無しになったりするかといえば、そんなことは全くない」と話した。(c)AFP