【2月17日 AFP】米ネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は16日、インドで動画配信用端末「ファイアTVスティック(Fire TV Stick)」を生産すると発表した。アマゾンが電子機器をインドで生産するのは初めて。拡大を続けるインドの電子商取引(EC)市場でのシェア獲得を狙う。

 アマゾンはインドで、米小売り大手ウォルマート(Walmart)傘下のフリップカート(Flipkart)やインドの大富豪ムケシュ・アンバニ(Mukesh Ambani)氏が所有する大手財閥リライアンス(Reliance)といった競合企業のほか、アマゾンによって廃業に追いやられる恐れがあると主張する多数の地場同業とシェアを競っている。

 アマゾンの今回の発表は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)政権が主要政策として掲げるインド製造業振興策「メーク・イン・インディア(Make in India)」に基づくもの。

 アマゾン・インディア(Amazon India)のアミト・アガルワル(Amit Agarwal)代表は、インドでの生産は「メーク・イン・インディア」に沿ったものだと強調した。

 アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は昨年、インドに10億ドル(約1060億円)を投じ、100万人の雇用を創出すると発表していた。

 アマゾンは台湾の富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)の子会社と協力し、インド南部の都市チェンナイ(Chennai)の工場で、今年中にファイアTVスティックの生産を開始する計画だ。

 インドのラビ・シャンカール・プラサド(Ravi Shankar Prasad)通信相はアマゾンの決定を歓迎するとともに、「インドは魅力的な投資先であり、電子機器とIT製品業界の世界的サプライチェーンにおいて主要な役割を果たすようになる」と述べた。(c)AFP