【2月16日 CNS】中国では12日に春節(旧正月、Lunar New Year)を迎え、大型連休が始まっているが、新型コロナウイルスの再拡大を防ぐため、帰省や旅行を自粛する「現地で年越し」が提唱されている。交通・観光業界が打撃を受ける一方、自宅で消費生活を送る「おうち経済」が再燃している。

 中国では先月28日から鉄道の春節特別ダイヤがスタート。最初の3日間の乗客は900万人未満で、前年同期比の約4分の1にとどまった。空の便では春節特別シフト初日の乗客は約54万人で、前年同期比で70%以上減少した。

 交通運輸部の呉春耕(Wu Chungeng)報道官は、「今年の春節連休中は、鉄道や航空機で移動する人はのべ約11億5200万人とみている。2019年と比べて60%以上減少し、2020年と比べても20%以上減少する」と説明。コンサルタント・会計事務所の普華永道航空(PwC)業務服務の劉浩然(Liu Haoran)首席顧問も「春節期間中、通常は人気旅行ルートとなる路線は低迷し、航空・鉄道業界は大きな損失を受ける」と指摘している。

 中信証券(CITIC Securities)研究所の明明(Ming Ming)副所長の試算では、「現地で年越し」の影響で、1500億元(約2兆4400億円)の消費が減少する可能性があるという。生活必需品などの消費は着実に伸びる一方、飲食、映画、観光などのサービス業は「厳冬」を迎えている。

 中国国務院発展研究センター市場経済研究所の王念(Wang Nian)副研究員は「市民は春節連休中の外出を減らし、オンラインショッピングやモバイルゲーム、ライブ配信、オンラインビデオ鑑賞などに時間を費やすことになる。宅配サービスからオンライン医療やオンライン学習まで、自宅で消費活動をする『おうち経済』が加速していくだろう」と分析している。(c)CNS/JCM/AFPBB News