【2月15日 AFP】インドの農業改革法に反対する農家の抗議運動に関してスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんがツイッター(Twitter)に上げた情報の作成に関与した疑いで、インドの環境活動家が当局に身柄を拘束された。

 インド南部ベンガルール(バンガロール、Bangalore)出身のディシャ・ラビ(Disha Ravi)さん(22)は13日、身柄を拘束された。警察はラビさんが、インドの抗議運動に関する情報が書かれた「ツールキット」と呼ばれている文書の「作成と流布の首謀者」だとしている。

 ツールキットには、農家の抗議運動に関する基本情報のほか、抗議集会への参加方法、オンラインで運動を支援する方法などが書かれていた。デリー(Delhi)警察は、ラビさんとその仲間は、この文書をグレタさんと「共有していた」と述べている。グレタさんは今月に入り、この文書をツイートしていた。

 ラビさんは、グレタさんが主導して世界各地に広まった地球温暖化対策を求める運動「フライデーズ・フォー・フューチャー(Fridays For FutureFFF、未来のための金曜日)」をインドで始めた一人。

 インドでは昨年11月以降、政府の農業改革に関する新法に反対し、数万人の農家が首都ニューデリー郊外で野営を続けている。デモはヒンズー教至上主義を掲げるインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相にとって、2014年の政権掌握以降、最大の試練となっている。

 米歌手リアーナ(Rihanna)さんやインド出身の母を持つカマラ・ハリス(Kamala Harris)米副大統領のめいミーナ・ハリス(Meena Harris)さんも農民の抗議行動についてツイートしている。

 これに反発したインド政府はソーシャルメディアのプラットフォームを追及し、交流サイト(SNS)大手の米ツイッターに農業改革に反対する農家の抗議集会についてツイートした数百のアカウントを停止するよう要請している。

 著名人のツイートを受けて、警察は今月5日、インド政府への「不満と悪意」をあおった者たちの捜査を開始。デリー警察はツイッターで、ラビさんらのグループは北部パンジャブ(Punjab)州の分離独立を目指す勢力と共同で活動していたと明らかにした。抗議行動をしている農家の多くはパンジャブ州から来ている。(c)AFP