【2月4日 AFP】(写真追加)米歌手リアーナ(Rihanna)さんやスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんがツイッター(Twitter)で、インドの農民デモを支持する投稿をしたことについて、インド政府は3日、「人騒がせ」と批判した。

 インドでは昨年11月以降、政府の農業改革に関する新法に反対し、数万人の農家が首都ニューデリー郊外で野営を続けている。デモはヒンズー教至上主義を掲げるインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相にとって、2014年の政権掌握以降、最大の試練となっている。

 ツイッターで1億人以上のフォロワーがいるリアーナさんは3日、農民デモの複数の野営地でインターネットが遮断されたことを伝える記事を投稿し、「なぜ私たちはこのことについて話さないの?!」と書いた。

 これに対し、数十万人がリツイートや「いいね」をした。

 一方、グレタさんも同日、同じ記事をシェアし、インドの農民デモと共に私たちも団結して立ち上がると投稿した。また、インド出身の母を持つカマラ・ハリス(Kamala Harris)米副大統領のめいミーナ・ハリス(Meena Harris)さんも農民デモへの支持を表明している。

 海外著名人らのこうしたツイートは、インドで物議を醸している。

 インド外務省は3日、海外著名人はインドの内政問題からは距離を置くべきであり、「この問題に対する適切な理解」が必要だと指摘。特に著名人や無関係な人によるこのようなコメントは正確ではなく、無責任だと批判した。

 インド映画界「ボリウッド(Bollywood)」の女優でモディ氏を支持するカンガナー・ラーナーウト(Kangana Ranaut)さんは、農民デモ参加者らを「テロリスト」、リアーナさんを「愚か者」と呼んだ。

 このほかアヌパム・カー(Anupam Kher)さん、アクシャイ・クマール(Akshay Kumar)さん、スニル・シエッティ(Suniel Shetty)さんといった俳優や、監督のカラン・ジョーハル(Karan Johar)さんが「外国人」への反発を示している。

 インド政府はまた、政府がツイッターに約250件のアカウントと投稿を停止するよう求めたことに対する同社の対応について、法的措置を取ると警告した。

 ツイッターは当初、政府の指示に従いこれらのアカウントと投稿を停止したが、数時間後に停止を取り消した。

 電子・情報技術省は、ツイッターはインド政府に従う義務があり、拒絶すれば法的措置の可能性もあるとしている。(c)AFP