【2月14日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は、銃規制の緩和を進める一連の大統領令を出した。

 極右のボルソナロ氏は、銃規制緩和を公約の一つに掲げている。12日に出した4件の大統領令で国民が所有できる銃の数は4丁から6丁に引き上げられ、レクリエーションとしてスポーツ射撃を練習する国民については最大60丁まで所有可能になった。また、最大2丁の銃を公に携帯することが認められた。

 さらに、銃の愛好家が購入できる特定規制対象の銃の弾薬数が従来の2倍の年間2000発となり、狙撃用スコープや20世紀より前の銃器、12.7ミリ弾までの弾薬の使用に関する規制が撤廃された。

 もう1件の大統領令は、銃の収集家と射撃および狩猟の愛好家に対するライセンス要件を緩め、こうした人々が射撃クラブや射撃練習場から所定の技術証明書を取得できる形にしている。

 元軍人のボルソナロ氏は、銃を持つ権利を声高に主張している。新たな大統領令により、2019年の大統領就任から多数の大統領令を出して進めてきた銃規制緩和が一段と進む形だが、一部の大統領令は議会や裁判所によって覆されている。

 銃規制賛成派は厳しく批判している。犯罪予防活動を行っている市民団体「私は平和主義協会(Sou da Paz Institute)」は、ボルソナロ氏が「既に30件を超える大統領令」を発令したことが要因で、「昨年は社会に出回っている銃の数が記録的に増えた」と指摘し、「こうした実態は、ブラジル国内で出回る銃器が増えると人命損失の悲劇や民主主義の衰退を招くと忠告する専門家をことごとく無視している」と述べた。(c)AFP