【2月17日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の会長を辞任した、森喜朗(Yoshiro Mori)氏(83)による女性蔑視発言の波紋が広がっている。17日には森氏の後任候補が、橋本聖子(Seiko Hashimoto)五輪相(56)に一本化されたと報じられた。

 森氏はこれまでも、数々の失言で物議を醸してきた。

 森氏は2000年4月から01年の間の1年間、首相を務めた。在職期間は短かったものの、その発言は議論を呼んだ。

 首相就任後には、「日本は天皇を中心にしている神の国である」と発言。憲法が定める政教分離原則に反している可能性があると激しい批判を浴びた。就任当初約30%あった支持率は、相次ぐ失言などを受けて急落した。

 また、選挙期間中には、「(無党派層は)自民党に投票してくれないだろうから、投票日には寝ていてくれればいい」と述べた。さらに日本の実習船が米国の原子力潜水艦に衝突され、沈没した事故が起きた際には、事故の知らせを受けながら、そのままゴルフを続けたことを激しく非難された。

 12年に政界から引退した森氏は、国内でのスポーツ振興に力を入れるようになり、19年にアジアで初開催されたラグビーW杯(Rugby World Cup)の招致で重要な役割を果たした。

 大のラグビーファンでアマチュア選手だった森氏は15年までの10年間、日本ラグビーフットボール協会(Japan Rugby Football Union)の会長を務めた後、名誉会長となったが、ラグビーW杯開催のわずか数か月前に健康問題を理由に退任した。