【2月11日 AFP】スリランカの僧侶は10日、高速道路建設で伐採される予定の、世界に1本しか現存しない木を出家させた。

 スリランカレグメと呼ばれるマメ科の木は、1868年に初めて確認されたが、1911年を最後に見られなくなり、2012年に絶滅が宣言された。しかし、19年、主要都市コロンボ(Colombo)の北で、高さ8メートルのスリランカレグメが1本だけ生えているのが見つかった。

 だが、この木は今週、中部の巡礼地キャンディ(Kandy)に向かう高速道路建設のため切り倒されることが決まっていたため、環境活動家らが支援を求めていた。

 タンゴール・サーラダ(Thangalle Saarada)僧侶は10日、僧侶数人と共に木の幹にオレンジ色のけさを巻き、お経を唱え、聖水をかけ、「この木は今、象徴的な意味で僧侶となった」と宣言した。

「われわれはこの木を政府から救いたい」

 人口2100万人の大半が仏教徒のスリランカでは、聖なる木を傷つけると呪われると信じている人も多い。このため、今回の僧侶による行為は尊重され、木は保全されるとみられる。

 政府の報道官は、木の保全についてこれから議論するとしている。(c)AFP