【2月10日 AFP】欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は9日、ロシアに対する制裁の発動をEUに提案すると表明し、ロシア政府による野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏への「容赦ない」弾圧を批判した。

 ボレル氏は先週、ロシアを訪問。この際、ロシア政府は欧州3か国の外交官追放を発表し、ボレル氏は肘鉄砲を食わせられた形となった。

 ボレル氏は欧州議会(European Parliament)に対し「次の措置を決定するのは(EUの)各加盟国だが、これに制裁が含まれる可能性はもちろんあり、私からは具体的な案を提示する」と表明した。

 東欧諸国とナワリヌイ氏支持者らは、ロシア当局による同氏の収監とデモ抑圧をめぐる制裁措置の発動を求めている。EU加盟各国の外相は今後の対ロ政策について、22日の会議で協議する見通し。

 ボレル氏のロシア訪問は一部の加盟国が反対していたが、ボレル氏はナワリヌイ氏問題についてロシア政府を問いただし、そのほかの問題での協働を模索するために訪問を決行していた。

 ボレル氏は欧州議会で、「訪問前に幻想を抱いてはいなかったし、訪問後、懸念はさらに高まった」と説明。「一つはっきりしたのは、ロシア側には建設的な協議に応じる意向がないということだ」と言明した。(c)AFP/Max Delany and Anna Smolchenko in Moscow