【2月5日 AFP】米下院は4日、米極右陰謀論「Qアノン(QAnon)」を広めたマージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員を懲戒処分とすることを決議した。

 民主党が過半数を占める下院は、230票対199票でグリーン氏への懲戒処分を可決した。ここ数週間、同議員の極端な発言は所属する共和党内に亀裂を生んでおり、採決では共和党からも賛成に回る議員がいた。

 昨年の連邦議会選挙でジョージア州から初選出されたグリーン氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の熱烈な支持者で、極右陰謀論「Qアノン」の信奉者として知られてきた。だが、自らに対する懲戒処分をめぐる採決の数時間前、下院での演説で誤情報を広めたことを認め後悔の念を示した。

 10分間の演説の中でグリーン氏は「これらは過去の言葉であり、こうしたことは……私の価値観を表すものではない」と発言。「私は真実ではないことを信じてしまったし、(事実に)疑いを抱いたり、そうした話をしたりした。今は大変後悔している」と述べ、議会選に出馬する前にQアノンからは「手を引いた」として陰謀論の放棄を宣言した。

 さらにグリーン氏は過去に自らが疑っていた「学校銃乱射事件は間違いなく事実」であり、「911(米同時多発攻撃)も間違いなく起きた」ことだと認めた。ただし、神の前において自分は「罪人」だと表現しながらも、演説の中では直接謝罪しなかった。

 共和党下院トップのケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)院内総務はグリーン氏に対する懲戒処分に難色を示し、グリーン氏もこうして悔い改める姿勢を示したが、下院は懲戒処分を決議し、同氏は2つの委員会の任務を剥奪された。

 採決では共和党下院議員のうち11人が造反して民主党議員全員とともに賛成に回ったが、こうした行動について幹部を含む共和党議員らは反発。共和党指導部は、政権を奪還した場合に政治的報復もあり得ると警告した。(c)AFP/Michael Mathes