【2月15日 AFP】英オックスフォード(Oxford)の老舗パブ「ラム&フラッグ(The Lamb&Flag)」が、このほど閉店した。

 16世紀から続く店の歴史に幕が下りる中、地域の他の店舗経営者たちからも、ロックダウン(都市封鎖)が大学都市の居心地の良いパブに「致命的な」影響を与えていると懸念する声が上がった。

 この町のパブは、学生や一般人の他、観光客らの利用によって成り立っている。常連客には「指輪物語(The Lord of the Rings)」の著者J・R・R・トールキン(J.R.R. Tolkien)やC・S・ルイス(C.S. Lewis)、さらには推理小説の登場人物であるモース警部(Inspector Morse)らが名を連ねる。

 しかし昨年3月以降は、イングランドの他のパブと同様に強制休業と営業制限に見舞われ、現在は、食事のデリバリーや持ち帰りを目的とした営業のみが認められている状況だ。

 消費者団体「カムラ(CAMRACampaign for Real Ale)」の支部で広報を担当するデーブ・リチャードソン(Dave Richardson)氏は、「いくつかの店舗は閉店せざるを得なくなる」との見方を示し、伝統的な個人経営のパブが直面するリスクが最も大きいと付け加えた。

 その一方でリチャードソン氏は、地元のその他のパブ経営者らがラム&フラッグの継承に関心を示していると話す。ただ、大手の醸造所やサービス業者は、このような酒類を主として提供する伝統的かつ小規模な店舗を先に切り捨てる可能性があることも指摘した。

 規則を守るため、小規模店舗はこれまでも悪戦苦闘を強いられてきた。特に昨年12月からは、酒類が「ちゃんとした食事」と一緒に提供されることが求められるようになり、さらなる苦境に立たされることとなった。(c)AFP/Anna MALPAS